築43年の実家を引き継ぐ
平屋への減築という選択
Sさんご一家が暮らすのは、緑豊かな川沿いに立つ片流れ屋根の平屋。奥さんの実家を水野建設がリノベーションした、道産カラマツ材を用いた上質な住まいです。既存の家は、複雑な段差を抱える木造の2階建て住宅。「地元の工務店数社にリノベーションの相談をしても、うちでは無理ですと言われてしまって」と、難色を示す会社がほとんどだったと奥さんは振り返ります。

薪ストーブを眺めるための特等席として、天童木工のパーソナルチェアを新調。開放的な天井高と素材のコントラスト、そして炎。家族の「好き」が詰まったLDKは、Sさんご一家の暮らしの中心

Sさんご夫妻たっての希望で採用したmorso(モルソー)の薪ストーブ。炉壁は札幌軟石で仕上げ、高天井に真っすぐと伸びる煙突の直線美が上質な空間を演出する
会社選びが難航したSさんご夫妻がようやく巡り会ったのが水野建設です。「地産地消を掲げたカラマツ材の利用や、施主の要望に柔軟に対応しながらも、水野建設としての芯の通った家づくりの姿勢に憧れていました。予算面で気後れしていましたが、いざ相談してみると、コストを調整しながら親身に寄り添ってくださいました」と、奥さんは話します。

カラマツの羽目板を施した勾配天井と緑を取り込む大開口が、リビング・ダイニングにのびやかな開放感と穏やかな時間をもたらす

黒い天井が空間を引き締めるキッチンは、天井高を2.2mとあえて低めに設定。程よいこもり感の中で、料理に集中できる落ち着いた環境に。背面収納の横には、気密ドアを備えた大容量のパントリーを備えている
リノベーションの核となったのは、大胆な減築。持て余す広さを削ぎ落とし、既存の西側部分を撤去しました。課題だった室内の段差は、解体コストを抑えるため、最も高い位置にあった旧ダイニングのフロアラインに合わせてフラットに再構築。また、雪解けが悪く滑りやすかった北側の玄関を、陽光の射す南側へ移設しました。将来の安全性を見据えた計画は、地域の気候風土を知り尽くした水野建設ならではの配慮です。

造作の洗面台は化粧スペースも確保。奥さん愛用の匠工芸のスツールが空間を彩っている

水まわりは1ヵ所に集約し、洗濯からパントリーを経てウォークインクローゼットに収納することができるなど、暮らしを見据えた動線計画で家事効率も向上
既存の勾配を生かした内部は、平屋とは思えない開放感。天井はカラマツの羽目板と黒のコントラストが空間を引き締め、洗練された上質な空間を構築しています。天井高のある玄関ホールに鎮座するモルソーの薪ストーブは、真っすぐ伸びる煙突の美しさとともに、揺らめく炎がSさんご一家の冬の暮らしを暖かく包み込んでいます。

キッチンの裏手にはご夫妻それぞれの寝室、ウォークインクローゼット、パントリーを配置。ユーティリティを介してリビングへつながる回遊動線が、暮らしを快適にアシストする

パントリーとリビング、2方向からアクセスできるウォークインクローゼットが、身支度や家事をスムーズに。夫婦の寝室とは上部が開いた壁で緩やかに仕切り、ひとつながりの空間に
薪ストーブを眺めるためにパーソナルチェアを新調したという奥さん。「1日の終わりに炎を眺めながら過ごすのが幸せ。一度は手放すことも視野に入れていた実家を素敵な形で引き継ぐことができてよかったです」と、笑顔で話します。





