道産カラマツに包まれた23坪の平屋で楽しむ
夫婦二人のセカンドライフ
東京で暮らしていたTさんご夫妻の趣味は、キャンピングカーで全国を旅すること。旅を重ねるうちに「セカンドライフは自然の中で」との思いが募り、移住先に選んだのが自然豊かな音更町でした。

靴の脱ぎ履きをアシストする手すりと、コーナーの飾り棚は造作

最短距離で結ばれたカーポートに設置した自作の薪棚と薪ストーブ。薪の持ち運びもスムーズでストレスなく冬の暮らしを楽しむことができる。薪ストーブは、ソファに座って炎を眺めることを想定し、角度を付けて設置した
カラマツを使った家づくりと『小さく建てて、大きく暮らす』というコンセプトに心惹かれ、水野建設に新築を依頼。「プランニングでは、3Dパースを見せてくれるのでイメージしやすく、東京と音更町の打ち合わせでも不便は感じませんでした。工事中も進捗を細やかに知らせてくれ、東京から持参した庭の植物に水やりまでしてくれました」と、奥さんは振り返ります。

表情豊かなカラマツの無垢床はご夫妻のお気に入り。「写真を趣味にしている私にとって、カラマツは長年撮り続けてきた木なんです」とTさん。親しみのあるカラマツに包まれながら新たな暮らしを楽しんでいる

カラマツ合板を用いた造作キッチンはあらかじめ収納を設けずに、ご夫妻が使い勝手がいいように市販のラックを組み合わせた。キッチン横にはルーバーを設け、リビングとキッチンを緩やかに仕切っている

メイン空間となるリビング・ダイニングの天井は合板仕上げとし、現しの梁も含めて木の質感が伝わる心地の良い空間に。白い天井との素材の変化が、仕切りのない空間の緩やかなゾーニングにも一役買っている
完成した新居は約23坪のコンパクトな平屋です。2つの個室とLDKからなるシンプルな構成で、使用頻度の高い水まわりとキッチンは家の中央に配置して動線を最短に。無垢床や構造材など、すべてカラマツで仕上げた木の温もりに包まれる室内には、リビングの一角にTさんご夫妻の憧れだった薪ストーブが設置されています。造作家具は最小限にとどめ、DIY好きのTさんが収納を自作するなど、自分たちらしい暮らしを丁寧に育てています。

南北に長いTさん宅。LDKから個室まで長手方向に対して平行にカラマツの無垢床を張り、面積以上の奥行きと広がりを感じる空間に

エアコン1台で室内を暖冷房する高性能な家づくりを行う水野建設。通常はテレビ台の中にエアコンを設置しているが、テレビ台がないTさん宅ではパントリー横の収納下に設置した

家の中央にまとめた水まわりは、リビングや個室など、どこからもアクセスがしやすい。「東京時代の住まいは3階建ての都市型住宅。上下階の行き来が大変だったので、コンパクトに暮らせる住まいは快適そのものです」とご夫妻

個室の天井は黄色のクロスとし、LDKとは異なる趣に。さらに奥さんの個室は壁の一部に青緑のクロスを採用してアクセントをつけている
「初めて過ごした冬はエアコン1台でも十分に暖かく、住宅性能の高さも実感しました」と住み心地にも大満足。薪ストーブの炎を眺めてくつろいだり、庭づくりに精を出したり、新居を拠点に旅を楽しんだり。四季の移ろいの中、セカンドライフをアクティブに満喫中のTさんご夫妻です。